ときどき自分の充電をしよう「先天の気」と「後天の気」
ときどき自分の充電をしよう
「元気な人」
「弱気な人」
「勝ち気な人」
「やる気のない人」…
「気」の言葉には、人の性格をあらわすものが色々ありますが、誰しも、「元気」で「やる気」にあふれた自分でいたいものですよね。実は、この「気」、ある程度は自分でコントロールすることができるとご存知でしょうか?
「気遣い」という言葉があるように、気は自分で「遣う(意味:あやつる)」ことができるのです。
「先天の気」と「後天の気」
私たちは皆、2種類の「気」を持っています。「先天の気」と「後天の気」です。
「先天の気」は、生まれながらに持っている気で、胎児として生まれたときが最も量が多い状態です。もともとの量や質には個人差があり、子供のころの性格を左右する要因のひとつになります。例えば、真冬でも外を走り回っている元気な子がいるのに対し、生まれつき病気がちな子やアレルギー体質の子がいるのは、「先天の気」の質や量の違いによるものです。「先天の気」は、加齢とともに減少していくほか、生活習慣の乱れや過度なストレス、病気などによってもすり減ってしまいます。
一方、「後天の気」は、生まれてから生きていく中で、呼吸や食事によって補充されていく気です。「先天の気」が少なく生まれた人も、「後天の気」を養うことで日々を元気に暮らしていくことができます。大人になるほど、この「後天の気」をうまく取り入れられるかどうかが、自分の気質を決める重要な要素となります。
後天の気は「天の気」と「地の気」から
後天の気は「天の気」と「地の気」からなります。「天の気」は太陽や月、惑星などの天体が発するエネルギー、「地の気」は大地からのエネルギーです。
「天の気」は、天体から私たちへと降り注いでいます。これを受け取るには、太陽や月の光を浴びることももちろん有効ですが、最も効率的な方法が「呼吸」です。呼吸によって取り込まれる酸素は、植物が光合成で作り出した自然のエネルギーです。忙しい毎日を生きる私たちは、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなりがちです。呼吸が浅いと血中に酸素が十分に行き渡らず、血の巡りが悪くなり、冷えや低代謝の原因になってしまいます。ときどき意識的に深い呼吸(腹式呼吸)をし、たくさんのエネルギーをいただくようにしましょう。日常にヨガを取り入れるのもおすすめです。
「地の気」は大地から上昇してくるので、大地との接触によって取り込むことができます。マンションなど、大地との接触が難しい住環境の場合には、「食事」によって取り込みましょう。広大な土地で育った農作物を食すことで、大地のエネルギーを体内に取り込むことができます。特に旬の農作物には大地のエネルギーが存分に蓄えられています。
後天の気は「天の気」と「地の気」から構成されますが、私たち一人ひとりの生活環境によって、不足しがちな気は異なります。戸建て住宅に住む人は、地面に近いために「地の気」を多く受け取れますが、住宅の向きによっては日当たりが悪く、「天の気」を得られません。一方、高層マンションに住む人は「天の気」を受け取りやすい分、地面から遠のき、「地の気」を得られません。住居や職場など、自分の生活環境に応じて、不足している気を意識的に補充すると良いでしょう。
呼吸も食事も、人間の生命維持に欠かせない活動ですが、毎日当然のように行なっているこの生命活動も、「気を補充している」という意識で向き合ってみることで、自分の中に気力が補充されるようになるのです。
「先天の気」は遺伝的影響を受けますが、「後天の気」は自分次第で力強くも、弱くもなります。毎日を元気に生きる秘訣は、忙しい日々の中で、ほんの少しだけ自分の中を流れる「気」に意識を向けることです。自然や季節を感じながら、心身を良い「気」で満たす時間を設けることで、「先天の気」の消耗は抑えられ、「後天の気」はますます増え、より元気で楽しい毎日を送れるようになりますよ。