すべてのものは陰と陽に分けられる
「陰陽五⾏思想」
「陰陽五行思想」の「陰陽」について
風水において、もっとも基本的で普遍的な考え方に「陰陽五行思想」と呼ばれるものがあります。「陰陽五行思想」では、世の中のすべては「陰」と「陽」の2つのタイプに分類され、それはさらに「五行」と呼ばれる5つのタイプに分けられるとされています。
一度にまとめてお話すると少し難しいので、ここではまず、「陰陽」についてみていきましょう。
「陰陽」の概念を簡単に表しているのが、こちらのマーク。
白と黒の勾玉が組み合わさったようなこの図、皆さんもどこかで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
この図、正式には「太陰太極図(たいいんたいきょくず)」といいます。風水の考え方の原点ともいえる、重要な意味を持つ図です。
太極図は、黒色が「陰」、白色が「陽」を表しており、「陰と陽のバランス」を意味しています。
万物すべてのものは、陰か陽かに分けられます。陰と陽は、どちらか一方では成り立たず、相対的な2つの性質が上手くバランスを取り合って、この世の中が成り立っています。
陰と陽が持つ性質
陰と陽、それぞれが持つ性質を具体的に区分してみると、次のようになります。
陰の性質
陰は、内側に蓄えた静かなエネルギーです。感情や感覚といった心理的な性質を持ちます。そのため、外のものを受け入れる性質も持っており、受容し、適応する性質があります。
陽の性質
陽は、外側に放出される動的なエネルギーです。思考や論理といった自分の意識に基づいた活発な性質を持ちます。
「陰」という言葉だけを見ると、なんとなくマイナスのイメージを持ってしまいがちですが、陰と陽は、どちらが良くて、どちらが悪いといった類のものではありません。
「女性」という概念がなければ「男性」というのも存在しないように、反対側の存在があってこそ、もう一方も成り立つのです。
さらに、陰と陽とは表裏一体で、互いに緩く交わり合っています。昼はやがて夜になり、夏はやがて冬になるように、完全な「陰」、完全な「陽」の世界は存在しません。
このことは、太極図からも見て取れます。太極図では、黒色の中に白い円が、白色の中に黒い円が描かれています。これは陰の性質の中にも陽のエネルギーが潜んでいること、陽の性質の中にも陰のエネルギーが潜んでいることを示しています。そして、黒と白は真ん中で完全に二等分されているのではなく、ぐるぐる回っているかのように描かれています。このことは、陰が強まっていくとやがて陽へ、陽が強まっていくとやがて陰へと変化していくことを表しています。
太極図は、簡単な図の中で、「100%陰」「100%陽」という状態はない、という世の中の定理を表しているのです。