健康な身体は食から作られるマクロビオティック

健康な身体は食から作られる
風水の世界では、世の中のすべてのものは陰と陽に分けられ、あらゆる物事がそのバランスで成立しています。これは食事においても同様で、食材ひとつひとつにも陰と陽があります。身体を温める性質をもつのが陽性の食べ物、身体を冷やす性質をもつのが陰性の食べ物です。健康でいるためには、この陰と陽の食べ物をバランスよく摂取することがポイントになります。
食の陰陽調和を意識した食事の概念として、風水の考え方に通じるのが「マクロビオティック(macrobiotic)」です。マクロビオティックは、自然と調和をとりながら、健康な毎日を送るための食の養生です。肉などの動物性のものはなるべく避け、無農薬・自然農法の穀物や野菜を中心とした食事をとります。
マクロビオティックには、「身土不二(しんどふに)」と「一物全体(いちぶつぜんたい)」という2つの概念があります。
「身土不二」
「身土不二」は「身体と土地環境はひとつである」ことを意味します。人間の身体は、その人が生まれ育った土地環境とは切っても切れない関係にあり、その土地に実った農作物を食べることが、長く健康に生きる秘訣だと考えられています。
特に、四季のある日本では、季節ごとの旬の食材を食べるのが効果的です。自然の中で暑さや寒さに耐えながら育った農作物は強い生命力を持っており、栄養価が高いからです。例えば、ナスやキュウリなどの夏野菜には身体を冷やす成分が、冬が旬の根菜類には身体を温める成分が含まれます。
旬の食材を食べることで、その土地の気候や風土、季節変化に負けない強い身体がつくられるのです。
「一物全体」
「一物全体」は「一つの食材は、部分的ではなく全体を丸ごと食べるのが良い」という考え方です。簡単に言うと、野菜は皮や根っこ、種まで食べ、魚なら頭や骨まで食べましょうということです。この世の生物は「部分」が集合し、「全体」としてさまざまなバランスを取って生きています。
なので、人間が食物を摂取する際にも、その「全体」を摂ることが栄養バランスを取るのに望ましいのです。実際、栄養学の観点から見ても、野菜の皮にはビタミンやミネラルが、魚の骨にはカルシウムが豊富に含まれています。
とはいえ、現実的には丸ごと食べるのが難しい食材もありますので、可能な範囲でということになりますが、意識して食べていただくことをおすすめします。
マクロビオティックを実践し、食を通じて自然の生命力を取り入れることで、健康的な生活を送ることができます。しかし、マクロビオティックは、単なる食事法や健康法ではありません。
マクロビオティックの考え方の多くは風水に通じています。血液の流れを良くすることは、気の流れを良くすることと同じで、より豊かな人生を送ることにつながるのです。
好きなものを我慢してストレスを溜めたり、ストイックになりすぎて疲れ切ってしまう必要はありませんが、少しずつ、できるところから始めてみてくださいね。